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交通事故で寝たきりになり3.5億円の賠償金を得た事例

寝たきりとなる後遺障害が残ってしまった交通事故

この事故は東北のある県で発生した事故です。
事故当時14歳だった男性Kさん(仮称)は歩道上に立っていたところ、前方から突っ込んできた貨物自動車に跳ね飛ばされました。
貨物自動車の運転手は、なんと事故当時飲酒していました。飲酒の影響で正常な運転ができず、進行方向左に自動車を向けてしまい、歩道上にいた被害者をはねてしまったのです。
事故後直ちに病院へ運ばれた 被害者は以下のとおり診断されました。

  • 肺挫傷
  • 右血気胸
  • 出血性ショック
  • 心肺停止
  • 肝損傷
  • 骨盤骨折
  • 蘇生後脳症(低酸素血症)
  • 脳挫傷(外傷性くも膜下出血)

治療の結果、命は助かったが寝たきりの状態に

Kさんは約120日間の入院が必要でした。そして退院後も自宅での治療が続き、退院から約1年後に症状固定となりました。
Kさんは治療を続けましたが、症状固定時に下記の後遺障害が残りました。

①頭部外傷及び事故受傷後の低酸素脳症、外傷性くも膜下出血、低酸素脳症に伴うくも膜下出血、脳浮腫、脳室拡大・全脳萎縮による意思伝達不能、四肢・体幹の痙性麻痺による常時臥床等の障害

②右下肺葉の部分切除による胸腹部臓器の障害

後遺障害等級については一番重い1級

非常に重い後遺障害が残り、寝たきりとなってしまったKさんについては、下記の通り後遺障害等級が認められました。

  • 上記の①の症状について別表第一の第1級
  • 上記の②の症状について別表第二 11級11号

裁判について

本件は、金銭面について任意の示談交渉ではまとまらず、裁判になりました。
裁判では以下の点が問題となりました。

  1. 介護費について
  2. 家屋賃貸費用について
  3. 治療費について公的補助などを前提とすべきか
  4. 特殊車両の購入代
  5. 逸失利益の額
  6. 慰謝料について

1.介護費について

本件では、自宅介護が認められ、また公的補助は減額しないということで、最終的に約1億2900万円の介護費が認められました。

交通事故で介護が必要な後遺障害が残った場合、実は一番金額的に大きいのが介護費です。
治療中の介護費も大きいですが、それ以上に症状固定後のいわゆる「将来介護費」が一番大きい費目です。
この「将来介護費」ですが、自宅介護と施設介護、公的補助を使用するかどうかなど様々な争点があります。時には億円単位となりますので、どういった争点を予想してどう準備していくかが大きなポイントとなります。
裁判は事前の準備が大きく後に響いてきます。
もし介護が必要と判断された場合、交通事故に精通している弁護士に相談されることをお勧めします。取り返しのつかないことにならないように、1日も早い相談が大事です。

2.家屋賃貸費用について

こちらについては、事前の準備が整わなかったのか、認められませんでした。
担当の医師に「仕事上賃貸住宅を借りたい」などと述べていたことが取り上げられてしまいました。
当初から弁護士が介入していればこういった事態は避けられたかもしれません。やはり早めの相談が肝心だと思われます。

3.治療費について公的補助などを前提とすべきか

治療費も大きく認められました。大きかったのは公的補助などは考慮しないとされたことです。
保険会社は、本来保険会社が支払うべき治療費を「健康保険を適用すれば安く済む」などと必ず主張します。しかし健康保険適用ということは、保険組合が治療費を支払うということです。
本来保険会社が全額支払うべき治療費を、国民の血税・保険料で運営する保険組合が払うなど筋違いもいいところです。
こういった保険会社の荒唐無稽な主張も、弁護士が入らないと何のことだか分からないまま丸め込まれることになります。

4.特殊車両の購入代

介護福祉車両の購入費です。
こういった費目で保険会社が争うのか?答えは当然「イエス」です。保険会社は裁判になったら何でも否定してきます。
ただ保険会社も日々多数の事件で裁判を争っていますから、裁判には慣れっこです。それなりの理論武装をしていますので、こちらも慣れていないと反論ができません。
本件では、保険会社は、必要になったらタクシーを使えばよい、と主張してきました。
しかし結果的には保険会社の主張は退けられ、購入費が認められました。

5.逸失利益の額

逸失利益も金額的に大きな費目です。
逸失利益では、計算の基礎となる収入をどうやって決めていくか、がかなり問題になります。
一度裁判をやってみれば分かりますが、裁判官は必ずしも被害者の味方という訳ではありません。当然裁判官は公平な立場でなければなりませんから、必ず被害者の味方である必要はないと思います。しかし時には、まるで被害者が不正な請求をしているかのような反応を示す裁判官も多いのが事実です。
冷たい裁判官をどう説得するのか、どのように証拠を集めていくのか、ここが大きな問題となってきます。
本件では、主張がうまくいき、結果的に9000万円を超える逸失利益が認められました。

6.慰謝料について

本件は飲酒運転で突っ込まれ、重い後遺障害が残ってしまいました。
通常、個々の事情というものは、なかなか裁判官に取り上げてもらえません。「辛いのは皆同じ」。裁判官の認識はいつもこうです。
ただ、飲酒運転や大幅なスピード違反など客観的に加害者が悪質と判断された場合は別です。
本件も飲酒運転が認定され、慰謝料も通常より増額されて3000万円が認められました。

最終的な賠償額

項目裁判による賠償額
治療費2895万円
交通費55万円
入院雑費75万円
付添看護費429万円
将来看護費用1億2441万円
将来医療関係費1301万円
将来雑費411万円
福祉車両購入費591万円
入通院慰謝料500万円
逸失利益9101万円
後遺障害慰謝料3000万円
親族慰謝料800万円
弁護士費用3000万円
合計3億5363万円

どうすれば納得のいく被害弁償が得られるのか

交通事故は起きて欲しくありません。しかし現実では、交通事故に巻き込まれる被害者の方がいらっしゃいます。
交通事故の被害にあった場合、加害者をどう処罰すべきかという刑事事件の問題と、被害者がどのくらい賠償を受けられるのかという民事事件の問題があります。
刑事事件は警察や裁判所に任せるしかありませんが、民事事件は被害者の動き方で金額も変わってきます。
保険会社が常に被害者の立場に立ってくれるかというと、そんなことは決してありません。
もちろん中には被害者をかわいそうと思って親切に対応してくれる担当者もいることはいますが、ほとんどは会社の利益・会社の立場から動く担当者ばかりです。
納得のいく被害弁償を受けるために、まずは一歩踏み出すこと。つまり、交通事故に詳しい弁護士に相談してみることが大事です 。


※本事例は、仙台地方裁判所平成21年11月17日判決の事例をもとに構成されたものです。本事例は本事務所により提訴された事件とは異なっています。特定を避けるため、実際の事例とは若干異なった数値、記載をしています。あらかじめご了承ください。

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