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高次脳機能障害

交通事故で頭を強く打った場合、医師から「高次脳機能障害」と診断される場合があります。「高次」とは、高度な脳の機能、例えば「話す」「覚える」「論理的に考える」など、動物とは違ったまさに人としての大事な脳の機能に問題が起きていることをいいます。


※実際に高次脳機能障害かどうかは、最終的には医師による高度な判断が必要です。必ず医療機関を受診されるよう強くお勧めいたします。本稿については参考までになさってください。

高次脳機能障害とは

Q 高次脳機能障害とはどんな病気でしょうか?

高次脳機能障害とは、交通事故で強く頭を打ったりした場合に後遺障害として残る病気です。記憶力が低下したり、物事を順序立てて進めることができなくなったりします。
話をすると普通に受け答えすることができる場合も多いのですが、記憶力などが明らかに低下して、昨日のことも忘れているなどの特徴的な症状が出てきます。

Q 高次脳機能障害ではどのような症状が出てくるのでしょうか?

交通事故で高次脳機能障害になると、次のような症状が出てきます。

1 記憶障害

事故の前や、事故が起きた後のことが思い出せない、また新しいことが覚えられないという症状です。
アズール法律事務所では、実際に交通事故で高次脳機能障害となった被害者の方を見てきています。高次脳機能障害の症状の中では記憶障害が最も多く、特に事故の前後については全く記憶がないという症状が多くみられます。
場合によっては事故直後から母親の顔も分からなかったり、漢字が全く書けなくなってしまったりします。事故後かなりの時間がたっても、道を覚えられない、作業手順を覚えることが難しいなど、実際の仕事をする上での障害が残る場合もあります。

2 注意障害

これは一つのことになかなか集中できない症状です。
一つのことをするのにほかのことに気を取られてなかなか集中できません。
また集中力そのものがなくなっているため、いつもぼーっとしている症状もよく見られます。
何か物を取りに行ったのに、何を取りに行ったかを全く忘れてしまったりします。

3 遂行機能障害

これは段取りを立てることができない症状です。
計画通りに行動することができません。次に何をすればよいのか、計画を守れません。
さらには、自分で計画を立てること自体ができないこともあります。
何をしてよいかわからないためぼーっとしていることがあります。
とにかく計画立てて行動できないため、日常生活にも時間がかかります。

4 行動情緒障害

これは感情や意欲のコントロールができない症状です。
事故前と性格が変わってしまったり、すぐにパニック状態になるなどの症状です。
典型的な症状が「怒りっぽくなった」というものです。
時には家族に暴力を振るうなどで警察沙汰になることさえあります。
気分の起伏が激しい場合もあり、ちょっとしたことで激怒したり、逆に一日中何もせずぼーっとしていることもあります。
「事故前と比べて性格が全く変わってしまった。」ご家族の方がよくおっしゃる感想です。

Q 高次脳機能障害の原因は何でしょうか?

高次脳機能障害はいろいろな原因によって発生します。ここでは、交通事故において高次脳機能障害となる場合の原因(医師による診断名)を紹介します。

  1. 局所性脳損傷(脳の一部が損傷)
    • 脳挫傷
    • 急性硬膜外血腫
    • 急性硬膜下血腫
    • 脳内血腫
  2. びまん性脳損傷(脳全体が損傷)
    • 軽症脳しんとう
    • 古典的脳しんとう
    • びまん性軸索損傷
  3. 頭がい骨骨折(頭がい骨が損傷)
    • 円がい部骨折
    • 頭がい底骨折

では、それぞれ説明しましょう。

1.局所性脳損傷

局所性脳損傷は「脳挫傷」「急性硬膜外血腫」「急性硬膜下血腫」「脳内血腫」の4つに分かれ、ケガをした場所と頭がい骨内部の圧力上昇によってさまざまな高次脳機能障害が現れます。

脳挫傷

脳挫傷は、交通事故により頭に強い力がかかることによって生じるケガです。歩行者が自動車にはね飛ばされ、頭を強く地面に打ち付けた時などにみられます。脳を何かに強く打ち付けると、脳は衝撃を受けた部位で損傷を受けるほか、その反対側が頭がい骨の内側に打ちつけられ損傷を受けることがあります。脳挫傷は脳の出血や腫れを引き起こします。
次に紹介する(2)びまん性軸索損傷なども含めた広い傷病名として使用されることがあります。

急性硬膜外血腫

交通事故で頭にケガをし、頭がい骨の内部で出血した場合の診断名の一つです。

頭蓋の構造

急性硬膜外血腫は、頭がい骨内部の出血のうち、頭がい骨と、頭がい骨のすぐ内側にある硬膜との間に血液がたまって、血のかたまりができている場合の診断名です。
急性硬膜外血腫は全頭部外傷の1~3%、致命的頭部外傷の5~15%を占めるといわれています。

急性硬膜下血腫

次が急性硬膜下血腫です。先ほどの硬膜のさらに内側で出血を起こし、血のかたまりができてしまう症状です。
急性硬膜下血腫は強い外傷で起こることが多いために脳の損傷も強く、通常ケガをした直後から意識障害が発生します。

脳内血腫

これは脳の実質の内部で出血を起こし、血のかたまりがみられる症状です。
脳内血腫は頭に重度の外傷を負ったときに生じます。脳のどの領域が損傷を受けているかに応じて、眠気、錯乱、血腫とは反対側の体のマヒ、発話や言語能力の障害などの症状が現れます。

2.びまん性脳損傷

「びまん性」とは、「広い範囲」というような意味です。したがって「びまん性脳損傷」とは、脳が広い範囲にわたって損傷を受けた、ということになります。
上記の「局所性脳損傷」との違いは、全体か一部か、というところにあります。「びまん性脳損傷」は脳全体が強い力で揺さぶられるなどの原因により発生する症状です。
大きく分けて「脳しんとう」と「びまん性軸索損傷(じくさくそんしょう)」に分かれます。

脳しんとう

脳しんとうは、脳が強くゆさぶられたときに出る一時的な意識障害のことです。具体的には6時間を超えない程度の意識障害です。
ただ、一時的な意識障害とはいえ、脳しんとうを一度起こすと2度目に起こしたときに重症化しやすいといわれています。このため、軽度の脳しんとうといえども、決して軽く見てはいけません。
脳しんとうにより一時的にぼうっとしたり、記憶がなくなったり、頭痛、めまいなどの症状が出ます。

びまん性軸索損傷

びまん性軸索損傷は「びまんせいじくさくそんしょう」と読みます。びまん性軸索損傷も脳しんとうと同じく、脳が強くゆさぶられたときに起こります。ただ、びまん性軸索損傷は、6時間以上の意識消失が条件です。

軸索説明図

「軸索」は脳の神経細胞から突き出ている枝のような部分です。
脳に強い力が加わると、神経も同時に揺さぶられることになります。強く揺さぶられると、神経の枝である「軸索」が切れてしまいます。
神経はそれぞれがつながって情報をやり取りしていますから、軸索が切れてしまうと情報をやり取りできなくなってしまいます。このように軸索が広い範囲で切れてしまうようなケガのことを「びまん性軸索損傷」というのです。
通常、びまん性軸索損傷はCTまたはMRI検査によって発見されます。びまん性軸索損傷では、脳全体に小さい血のかたまり(小血腫)がみられるのが特徴です。

3.頭がい骨骨折

頭の骨である頭がい骨には、ヘルメットのように脳を上から包むように保護している円がい骨と、脳の底を支えている頭蓋底骨に分けられます。
円がい骨の骨折には、①線状骨折、②粉砕骨折、③陥没骨折があります。
これらの骨折が血管を横切る場合、硬膜外血腫などの出血を生じることがあります。
頭がい底骨の骨折では、目の周りにパンダのような皮下出血が生じることがあります。
これらの出血があるとき、場合によっては高次脳機能障害の後遺障害が残ることがあります。

Q どのような状態になれば、高次脳機能障害と診断されるのでしょうか?

高次脳機能障害と判定されるには、上記の診断に加え、意識障害がみられることが必要です。
初期の意識障害については、「GCS評価」という測定表を用いて判断します。「GCS」とは、「Glasgow Coma Scale」の略です。

GCS評価は「目を開けているか(開眼)」「会話できるか(言語反応)」「運動できるか(運動反応)」の3つの評価基準で判断されます。下記の表を基準に判断します。
正常値は15点で点数が小さいほど重度の意識障害であるといえます。重度(8点以下)になると、高次脳機能障害の発生が予測されます。

反応評価
開眼(E)自発的に開眼する4
呼びかけで開眼する3
痛み刺激を与えると開眼する2
開眼しない1
言語反応(V) 見当識の保たれた会話5
会話に混乱がある4
混乱した発語のみ3
理解不能の音声のみ2
なし1
運動反応(M)命令に従う6
合目的な運動をする5
逃避反応としての運動4
異常な屈曲運動3
伸展反応2
まったく動かない1

高次脳機能障害の治療について

Q 高次脳機能障害はどのような医療機関で治療できるのでしょうか?

高次脳機能障害と診断された場合に、どのような医療機関があるかをご説明します。

事故直後は救急病院

高次脳機能障害に至るような大きなケガの場合、事故直後は近くの救急病院に運ばれます。
ただ、救急病院はあくまで事故直後のケアを行うことが目的ですので、事故から数日から数週間たつと転院を求められることがあります。そのまま入院を継続できることもありますが、2か月ほどたつと転院先を探し始めるケースもあります。
救急病院は緊急に治療が必要な患者さんを受け入れる施設ですので、継続してケアを行うのは別の施設で行っていく、というのが適切だからです。

事故からしばらく経ってからの転院先は地域の大きな病院

救急病院からの転院といっても、高次脳機能障害を負った患者さんには手厚いケアが必要な場合がほとんどです。そのため小規模な病院では対応が難しいことも多く、地域でも大規模な病院が選ばれる例が多いです。

数か月たった後は全国の療護センター、リハビリテーションセンターなど

病院への入院については、医療費の適切な支出などの観点から、3か月を過ぎるとかなり保険点数が減らされてしまう制度となっています。そのため3か月を過ぎたころからは退院または転院を求められることが多くなるのが一般的です。
そこで、継続してケアを行うため、高次脳機能障害の患者さんを長期間受け入れる専門機関が全国にあります。
そのうちの一つが、療護センターです。現在、全国4か所の療護センターと、5か所の委託病床があります。

千葉療護センター
療護センター
  1. 千葉療護センター(千葉県千葉市)
  2. 東北療護センター(宮城県仙台市)
  3. 中部療護センター(岐阜県美濃加茂市)
  4. 岡山療護センター(岡山県岡山市)
  5. 中村記念病院(北海道札幌市)
  6. 湘南東部総合病院(神奈川県茅ヶ崎市)
  7. 藤田保健衛生大学病院(愛知県豊明市)
  8. 金沢脳神経外科病院(石川県野々市市)
  9. 泉大津市立病院(大阪府泉大津市)
  10. 聖マリア病院(福岡県久留米市)

療護センターは数十の病床を抱えているのに対し、各委託病床はそれほど病床の数は多くありません。
下記のように申請に特徴があるため、どの施設に申請を出すのかは慎重な判断が必要です。

※療護センターおよび委託病床については、入院の申請を出せるのは一度だけとなっています。一度どこかの療護センターに入院申請を出して却下された場合は、ほかの療護センターにあらためて入院申請を出すことはできなくなります。

このように療護センターに入院申請を出すにあたっては注意が必要ですので、もしご不安ある場合はアズール法律事務所までご相談いただければと思います。

リハビリテーションセンター・高次脳機能障害支援センターなど

療護センターはかなり重篤な状態の患者さんを受け入れる専門病院です。
これに対してリビリテーションセンターや高次脳機能障害支援センターなどは、そこまで重篤な状態ではないが高次脳機能障害が残った患者さんを受け入れている医療施設です。各都道府県に数か所しかありませんが、高次脳機能障害を負った患者さん向けの特別のリハビリプログラムなどを実施しています。

リハビリテーションセンターでは、以下のようなリハビリテーションが行われています。

  • 医学的リハビリテーションプログラム
  • 生活訓練プログラム
  • 就労移行支援プログラム

高次脳機能障害の治療中のお金について

Q 高次脳機能障害の治療にかかるお金は保険会社に払ってもらえるのでしょうか?

では続いて、治療中にかかるお金をどうするか?をご説明します(治療費・交通費・生活費・休業補償など)

計算機イメージ

交通事故にあった直後から問題になるのは、治療費や生活費です。
基本的には加害者が契約している自動車保険の保険会社に支払ってもらうことになります。

ただし、保険会社は様々な理由を付けて支払いを拒否します。一般の方は、保険会社は親身になって相談に応じ損害については全額支払ってくれる、というイメージをお持ちかと思います。ところが実際にはそうではありません。以下に、どういった理由で支払いが拒否されるのかの実例を示します。

・治療費について

時間的な問題

治療費について保険会社が拒否することが多いのが、ある程度の期間を経過した場合の支払い拒否です。大きな怪我をされていても、短くて数ヶ月、長くても1年ぐらいで保険会社は治療費を打ち切ってきます。

場所的な問題

次に問題になるのが場所的な問題です。「遠いんだけど、名医と言われている先生に治療をお願いしたい。」という場合です。距離にもよりますが県をまたぐような場合は基本的には支払いを拒否されることが多いように思います。
極端な例では、隣の市でも拒否されたことがあります。

違う科を受診する問題

たとえば首の怪我をした場合などは、首そのものの痛みに加えて耳鳴りなどの症状が出る場合があります。こういった場合、それまで受診していた整形外科に加えて耳鼻科への受診を認めてもらう必要があります。もちろん認められる場合もありますが、なかなか保険会社の了解が得られない場合もあります。保険会社が認めないと、最終的には自己負担で受診することになります。

交通費について

治療の際に必要な交通費として、被害者ご本人の交通費がまず問題となります。
電車やバスなどがない地域ではタクシーを利用しての通院が必要になる場合があります。しかし毎回タクシーで通院するとなるとかなりの金額になりますので、保険会社の支払い拒否にあう可能性が高くなります。

さらに問題なのが、付き添いやお見舞いの方の交通費です。
これについてもかなりの確率で支払いを拒まれます。病院は完全介護の建前になっているため他の方の付き添いは必要ない。従って付添人は病院に行く必要がないので交通費も払わないという理由です。
しかし大きな怪我をした身内の方を見舞う、身の回りの世話をするということ自体を否定されるので、被害者側には大きな不満が残ることになります。
こういった交通費についても、アズール法律事務所では弁護士が交渉することで保険会社に認めさせた例が数多くあります。

・生活費(休業補償)について

これはもしかしたら一番大きな問題かもしれません。
大きな怪我をした場合、被害者ご本人が入院中であればご本人分の生活費(休業補償)は支払われることが多いように思います。
しかし被害者以外の第三者は全く別です。入院中は完全介護となっているため「他の方の付き添いは必要ない、従って第三者の給料などは保障しない」という理由で拒否されます。たとえ色々と付き添いや着替えなどを持って行く必要があっても保険会社は認めない傾向にあります。

これでは被害者のご家族はたまったものではありません。付き添いのために仕事を休んだ分が保障されないので、全く生活が立ち行かなくなります。時には生活保護に頼らざるを得ない方もいらっしゃいます。
アズール法律事務所では交通事故の被害にあった方やそのご家族が生活に困った場合にも、様々なサポートを行うことでなんとか生活が立ち行くように日々保険会社と交渉を行っています。

高次脳機能障害と後遺障害等級について

Q 後遺障害等級というものがあると聞きました。どういったものでしょうか?

交通事故にあい、治療をしても高次脳機能障害が残った場合、「後遺障害等級」というものが認められます。

「後遺障害等級」は、「損害保険料率算出機構」というところが定めていて、1級から14級の等級があります。1級が一番重い症状の場合に認められる等級です。
どの症状がどの等級にあたるのか、細かく審査基準が決められています。

Q 高次脳機能障害はどの等級にあたるのでしょうか?

高次脳機能障害の後遺障害等級は下記のように定められています。症状の重さに応じて、どの等級にあたるかが決まってきます。

1級神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2級神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
3級神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの
5級神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
7級神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの
9級神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの

Q 高次脳機能障害としての後遺障害等級が認められる条件は何でしょうか?

では、実際の被害者の方がどういった条件を満たせば等級に当たるのか。これはなかなか判断の難しい問題です。
通常、高次脳機能障害の等級の判断に必要な書類の一つとして「神経系統の障害に関する医学的所見」という書類があります。この書類を手掛かりとして高次脳機能障害の後遺障害等級を検討していくことになります。

実際の事例では、上記の「神経系統の障害に関する医学的所見」における、「6.認知・情緒・行動障害」の部分を見て判断することが多いように思います。この判断は、必ずしもこれ、という基準がないためなかなか難しいものがあります。判断に迷われる場合は、一度ご相談いただければと思います。

Q 高い後遺障害等級をどうやって取ればいいのでしょうか?(後遺障害、症状固定)

これまで高次脳機能障害についてどのような症状か、どう治療するか、どのような等級が取れるかについてご説明してきました。
これらに加えて、さらに重要な問題が出てきます。
「では実際にどういう手続きを取っていけば高い等級が取れるのか」
これは被害者請求という申請方法が一番大事だといえます。
一般的に後遺障害等級を判断するのは、「損害保険料率算出機構」というちょっと珍しい団体です。特別な法律によって設立されている団体です。一般的には「損保料率機構」と呼ばれています。そしてこの「損保料率機構」の地区本部である自賠責損害調査事務所が実際の被害者の後遺障害の等級を決めています。
したがって自賠責調査事務所にいかにして高い等級を認めてもらうかが大きな課題になってきます。

Q 被害者請求とは何でしょうか?

実は自賠責調査事務所に等級の申請を行うにはいくつかの方法があります。

事前認定

これは相手方の保険会社に等級の申請を任せることです。弁護士が入らない事案ではほとんどの方がこの方法で等級を申請されていると思われます。

被害者請求

これは後遺障害の等級の申請を相手方保険会社ではなく、被害者自身が行うことをいいます。被害者本人(実際には弁護士が代わりに行っている場合が多いと思いますが)が申請の手続きを行うのでかなり面倒な手続きになります。

ではなぜ面倒な思いをしてまで被害者請求を行うのでしょうか。相手方保険会社に任せる事前認定と何が違うのでしょうか。
これは知識の問題もあります。保険会社の担当者には、詳しい担当者もいれば入社したばかりであまり知識のない担当者もいます。「ハズレ」の担当者に当たると、検査もれなどできちんとした等級が取れない場合もあります。
さらに重要なのは、あくまで保険会社は「加害者側」の立場にあるということです。被害者に有利にするよりは、なるべく等級を取らない方向に持っていったほうが最終的に保険金を払わなくて済むことになり、保険会社の経営にも有利に働きます。そこで、保険会社が行う事前認定では、必ずしも被害者に有利に動いていない可能性があります。

弁護士イメージ

実際に保険会社が申請を行った書類を我々が確認すると、被害者に不利な医師の意見書などが付けてあるなど、被害者に不利なかたちで申請が行われている形跡があります。
やはり被害者側の味方である弁護士がしっかりとした被害者請求を行って、被害者に有利な等級をしっかりと取得することが大事になってきます。
アズール法律事務所では、依頼をいただいたすべての案件に関して被害者請求を行い、しっかりとした等級を取るように努めています。

高次脳機能障害の保険金の金額について

Q 高次脳機能障害の保険金はいくらもらえるのでしょうか?

保険金と一言でいっても、いろいろな内訳があります。

  • 治療費
  • 交通費
  • 付添費
  • 入院雑費
  • 休業損害
  • 入通院慰謝料
  • 逸失利益
  • 後遺障害慰謝料
  • 将来看護費
  • 将来雑費
  • 将来治療費
  • 将来器具代
  • 将来ベッド代
  • 車両改造費
  • 将来車両買替費用
  • 自宅改造費
  • 親族固有の慰謝料

などなど・・・。
数え上げるときりがないぐらいです。
これらを一つずつ計算したものが最終的な支払い額になります。
ものすごくおおまかな金額ですが、1級の方ですと3億円以上にもなることがあります。

Q 保険会社から提示がありました。示談してよいのでしょうか?

保険会社が賠償金額を決める示談交渉までの流れについてはこちらの図をご覧ください。

個人の方だけで保険会社と最終的に受け取る金額の交渉をしていくと、保険会社の担当者は金額の提示をするとともにこういう言い方をします。

「弊社基準で最大の保険金をお支払いします!私の権限で最大限の額をご提示しました!」

この言葉を真に受けてはいけません。実際に弁護士が介入すれば、保険会社の提示した金額の何倍にもなることがほとんどです。これは我々弁護士が日々経験している事実です。
したがって、保険会社から示談額の提示があっても絶対に示談してはいけません。必ず弁護士に一度相談してみてください。

Q なぜ弁護士に依頼すると保険金が上がるのですか?

ではなぜ弁護士が介入すれば金額が上がるのか。それは保険金に関する保険会社の基準と裁判基準とが違うからです。

保険会社の基準

一般的に保険会社は保険金を支払う時の社内基準を持っています。もちろん保険会社はどの会社もそれなりに規模のある会社であり、かつ金融庁の監督の下に業務を行っている会社ですから、当然基準があります。これが保険会社の基準です。

弁護士基準

一方、弁護士基準というものがあります。これはこれまで日本の裁判所で交通事故の被害者に支払われた保険金の基準であり、裁判所においてある程度統一して決められているものです。実際に裁判をすればこの弁護士基準で計算されることになります。
この保険会社の基準と弁護士基準が同じかというと実は全然違います。当然弁護士基準のほうが高い金額で計算されることになります。
一例ですが、保険会社の基準に近い自賠責の慰謝料と弁護士基準の慰謝料を見比べてみると、下記のような違いがあります。

後遺障害等級自賠責基準※弁護士基準
1級(要介護)1650万円2800万円
2級(要介護)1203万円2370万円
3級861万円1990万円
4級737万円1670万円
5級618万円1400万円
6級512万円1180万円
7級419万円1000万円
8級331万円830万円
9級249万円690万円
10級190万円550万円
11級136万円420万円
12級94万円290万円
13級57万円180万円
14級32万円110万円
※2020年4月1日以降に発生した事故に適用される基準

上記の表をごらんいただければお分かりかと思いますが、保険会社の基準(自賠責の基準)と弁護士基準とでは、2倍から3.5倍もの違いがあります。

Q 高い基準で保険金を受け取るには?

ではなぜこんな2つの基準があるのでしょうか。保険会社が最初から弁護士基準で計算をすればすべて解決するのではないでしょうか。
しかし保険会社も結局は営利企業です。保険会社自身が利益を出していかないと成り立たないのは事実です。

そうは言っても、保険金を最大限に受け取るには保険会社と戦うしかありません。
もう一度言わせていただきますが、
「弊社基準で最大の保険金をお支払いします!」
この言葉には気をつけてください。

では自分で弁護士基準で交渉すればよいのではないか?そう考えた方もいらっしゃるでしょう。
しかしここでも保険会社の支払い拒否にあいます。「個人の方だとこれ以上はお支払いできません。弁護士に頼むか裁判してください。」と言われてしまします。
こういった、保険会社とどうやって交渉していくか、また裁判をするか、裁判するとしてどういった主張・証拠が必要か、またそういった証拠をどうやって集めていくかなど、アズール法律事務所では全力をあげて被害者の方々の様々な問題を解決しています。
一度アズール法律事務所にご相談いただき、新たな未来を一緒に探していただければと思います。

高次脳機能障害と弁護士について 

Q 高次脳機能障害をいつ弁護士に任せたらよいのでしょうか?

弁護士に依頼すべきか、依頼するとしていつ頼むべきか、これは依頼者のどなたもが迷われることです。
弁護士から申し上げると、「高次脳機能障害」と診断された方は、「いつでも、いますぐ」ご相談いただいた方がよいと思います。

理由としては

  1. 高次脳機能障害は重大な症状ですから、早いうちから等級に関する対策を行う必要があること
  2. 保険金が多額になる事例が多いので、弁護士費用を気にするよりも保険金が上昇することで十分元が取れること

の2つが挙げられます。

1.については、高次脳機能障害の等級の申請では多数の医療資料や休業損害などの資料が必要となるため、早い段階からこれらの資料の収集、記載の適正化などに取り組む必要があるからです。

2.の弁護士費用については多数の問い合わせをいただいております。
しかし高次脳機能障害ともなると、場合によっては数千万円、数億円の保険金になることもあり、弁護士が介入する場合の上昇額を考えますと、弁護士を入れないという選択肢はほとんど考えられません。
また、アズール法律事務所では、保険金が支払われた後での弁護士費用のお支払いとさせていただいておりますので、弁護士費用が払えないということは事実上ありえません。費用についてご心配はいりません。


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