療護センターは交通事故により重い後遺障害を負った被害者に対して適切な治療と看護を行うための施設です。耳慣れない施設だけに、不安に思う方も多いのではないでしょうか。このページでは千葉市にある千葉療護センターについてご紹介します。

目次
千葉療護センターの概要は?
千葉療護センターは全国4ヶ所ある療護センターのひとつで、1984年に設立されました。病床数は80床にのぼり、145名の職員が24時間完全介護体制で重度の意識障害を負った交通事故被害者のかたの治療と看護を行っています。
運営委託 | 医療法人社団 誠馨会 |
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業務開始 | 昭和59年2月 |
ベッド数 | 80床 |
入院できる方の条件 | 自動車事故により脳損傷を生じ、重度の意識障害が継続する状態にあり、治療及び常時の介護を必要とする方になります。 原則として下記の項目に該当する方 ①自力移動が不可能である。 ②自力摂食が不可能である。 ③し尿失禁状態である。 ④眼球はかろうじて物を追うこともあるが、認識はできない。 ⑤声を出しても、意味のある発語はまったく不可能である。 ⑥目を開け、手を握れというような簡単な命令にはかろうじて応ずることもあるが、それ以上の意思の疎通は不可能である。 |
入院期間 | およそ3年 |
所在地 | 千葉県千葉市美浜区磯辺3-30-1 |
電話番号 | 043-277-0061 |
行き方 | 電車/バス●JR総武線「新検見川駅」またはJR京葉線「検見川浜駅」(東京駅より快速30分)下車 磯辺高校行きバス終点下車徒歩1分、ヨットハーバー行きバス「磯辺高校」下車徒歩1分、海浜病院行きバス「磯辺八丁目」下車徒歩10分 自動車●東関東自動車道/湾岸千葉ICより10分、湾岸習志野ICより10分、京葉道路/幕張ICより15分 |
面会時間 | 12:00~19:00(ご家族) 13:00~17:00 (ご家族以外)※ご家族以外の面会希望の際はその都度ご家族に許可いただいてからの面会となります |
ホームページ | http://www.chiba-ryougo.jp/ |
千葉療護センターの特徴は?

病棟はすべての患者に目が行き届きやすいように広いワンフロア。フロア内は入院している方が季節の移り変わりを感じられるようにベッドは窓側に配置されており、手軽に散歩や外気浴が楽しめるように開口部が多くなっています。ベッドサイドには各種、医療機器があり、重症患者にはICU並みの環境が整えられています。
施設内では高度先進医療機器(CT、MRI、PETなど)を使った検査結果を基に、それぞれの方に適した介護やリハビリが受けられます。
また、同じ看護師が入院から退院まで1人の患者をしっかりサポート。患者に対してより適切な看護・治療が受けられるように複数の専門職によるチーム医療体制で臨んでいます。
千葉療護センターに入院すると費用はどれくらい?
完全介護で設備も整った療護センターに入院した場合、いったいどれくらいの費用がかかるのでしょう?
それぞれのケースで違いがあるので一概には言えませんが、アズール法律事務所の経験からいうと、月におよそ100万円ほどの費用が発生するようです。
ただし、この入院費用については健康保険や高額療養費制度が使えるため、実際の負担はかなり抑えられるようです。
また、患者が未成年の場合には自治体からの補助制度などもありますので、確認してみたほうが良いでしょう。
千葉療護センターに入院できるのは?
療護センターの設置・運営をしている機関は自動車事故対策機構=NASVA(ナスバ)です。交通事故の被害者に対する家族の介護疲れが社会問題化し、国の方針により療護センターの設置が決まりました。したがって、交通事故以外の事故で重度な後遺障害を負っても療護センターには入院できません。
長期入院の場合は「自動車事故により脳挫傷が生じ、重度の意識障害や神経精神障害が継続する状態にある。治療および常時介護が必要である」という前提をクリアした上で、重症度が一定の基準以上であることが必要です。
千葉療護センターへの入院手続きは?
千葉療護センターに入院するためには「重度意識障害者診断書」や「自動車事故証明書」などの必要書類を揃えて千葉療護センターに申し込み手続きを行います。
その後、訪問調査や入院審査などにより、入院要件に該当するとの判断が出て、病床に空きがあれば入院が認められます。入院要件に該当しても病床に空きがなければ順番待ちとなる場合があります。

なお、入院の申込みは原則として1箇所の療護センターにしかできないようです。そこで入院要件に該当しないと判断れた場合や順番待ちとなった場合は、他の療護センターに入院することも難しくなります。申込み手続きを行う際には慎重な判断が必要になります。
アズール法律事務所ではこれまでに多数の交通事故被害者の方をサポートしてきた経験から、各療護施設の状況や申込書類の書き方、各種の補助制度などについても知見があります。
たいへんな状況にある被害者の方やご家族の負担を少しでも減らせればと思いますので、ぜひお気軽にご相談ください。
【ご注意】本ページの内容は、執筆時点で有効な情報に基づき、アズール法律事務所が一般の方向けにわかりすく書き下ろしたものです。具体的な入院条件・手続き等については各施設のホームページで確認してください。